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地震から身を守る知恵
地震関連の調査経験から考えた日本で地震から身を守る方法
わが国では、6000名以上の方が亡くなられた阪神大震災以降も大規模な地震が続いており、 その都度、建造物が倒壊したり、大破したりして、死亡者や負傷者の発生は止むことがありません。 これを見ていると、日本の住宅建築物は、震度6-7の地震が発生する国としては、たとえ建築基準法に 合致したものであっても、とりあえず、生命を守るという観点からみると、どうも不適切ではないか といわざるを得ないのではないでしょうか。というか、建築基準法の基準が役立つ基準なのかについて 疑念を持たざるをえません。 特に一般住宅に対する耐震性が法的に強化された1981年改正以前に建築された建物に問題があるのは 明らかです。本来、一般住宅の耐震検査を行うとともに、1981年以前の住宅については、耐震性の 確保のための工事や建て替えに公的な補助や税制上の優遇措置を行うことが、人命の喪失や 負傷者の増加の防止には必要不可欠と考えられます。古い住宅で、屋根瓦を使用し、瓦のすべり止めに土を 使用していたり、壁が土壁であって、耐震性確保のための筋交いが不足しているものは、震度6程度で 倒壊をする可能性が特に高いといえます。 このサイトに、自宅の建築に際して、どのようなことに留意した方が、地震調査経験からみると いいのかというご質問がよく参りますので、住宅という点に絞ってお答えしている要点を整理してみました。 主として阪神大震災の調査経験から見た命を守れる建物の構造や造作はどのようなものが適当 といえるのか考えてみましたので、特に自宅を建築される場合は参考にしてください。 なお、これは、阪神大震災の建造物と健康被害の調査委員会としての見解ではありませんので、 ご承知おきください。 1住宅の建物としてはどのような構造のものが安全か 住宅としては、震度6以上でも基本構造部分が倒壊しない構造のものが適当です。 いわゆる在来工法の木造の日本建築は震度6以上の地震国には向かないといえます。 (耐震性の設計がなされていないもの) プレハブや2X4(ツーバイフォー)などのように壁で支える構造のものが耐震強度があります。 これは阪神大震災でも被害が少ないことが示されています。構造からいうとこのようなものが 適切と考えられます。(例えば、極論ですが、耐震性の十分考慮されたプレハブ工法の住宅 しか日本では認めないこととすれば、大地震による、人的被害は劇的に最小化できるものと 考えられます。) 単純な在来工法の木造住宅は日本には向いていないといえます。現実として、このような住宅が 全国にあるわが国では、大地震が発生するたびに同様に人的被害が今後も発生しつづけるでしょう。 ―できれば建築基準法で認めないこととした方が適当ともいえます。(耐震構造を十分に配慮したものは 別ですが) 手抜き工事が良く見られるわが国では、施工の点からも品質という面でどこまで耐震性が 確保されるのか不安があります。―これからみても、工場レベルで耐震性の品質が確保しやすい プレハブ住宅が安心といえます。 マンションの耐震性が問題となり、補強工事などが行われていますが、木造の住宅についても これが必要です。 特に建築後年数が経つと耐震強度が問題となります。古くなっても一定の強度が維持できる建築物・ 構造であることが不可欠です。 もちろん、構造が適切であっても施工が正しくおこなわれていないと役に立たないので、施工が 正しくおこなわれているかの検査は必須です。建築業者の手抜きは、公共工事から一般の工事まで わが国では有名なことですから、これも利害関係のない第三者による検査の義務化は必須では ないでしょうか。 2屋根はどのようなものが適当か 日本では、瓦が一般的に使われてきました。瓦の問題点は、重量があることです。 歴史的に瓦を屋根材として用いてきたのは、日本は台風が多く、重量のある瓦で強風でも 吹き飛ばされないようにしてきた経緯があります。 屋根が瓦であると、地震による揺れの加速度が建物の基本構造に影響して、建物は倒壊 しやすくなります。寺院建築などはそれにも耐えられる十分な強度のある木材で、柱を作り 梁も十分な強度の立派な木材を使用してきました。―震度が大であると寺院も倒壊しますが。 しかし、言ってみれば、金と手間にある意味いとめをつけない有名寺院などの建造物と異なり、 一般の住宅ではそうはいきません。今の木造住宅の柱や梁の木材をみればわかります。 木造建築物で基本構造が在来工法のもののように揺れやすいと屋根の瓦は振り子の振り になります。 ということで、屋根材は、瓦はさけたほうが適当といえます。軽くて丈夫な屋根材にしましょう。 3壁の材料はどのようなものが地震という点からは安全か 日本建築では、壁にさまざまの土を壁材として用いてきました。 今日でも、特にお金に余裕のある方は、有名な土壁材で土壁にすることが行われています。 地震と生命リスクということでは、土壁にするのは、耐震性という点と、生命リスクの点 から避けた方が賢明です。極端なことを言えば本来は、建築基準法で特別な建造物以外では認めない ほうがいいのではないかとも考えられます。 土壁の耐震性については特に説明の必要はないと思います。何の役割も果たしません。 二階まで土壁であると屋根瓦と同様にマイナスの役割を果たします。 生命リスクについては、大地震で建物が崩壊した時の壁の崩壊により発生する粉塵が 問題です。崩壊すると粉塵が発生し、人が建物に挟まれたりして動けなくなると粉塵を 吸引して窒息死することが起こり得ます。 したがって、壁材は土壁にしないこと、そして、耐震性・耐火性に貢献する丈夫なボードが適切と いえます。 4 建物の1階は安全性からどうか 阪神大震災でもそうでしたし、以降の大きな地震被害でもそうですが、木造も鉄筋コンクリート 構造でもそうですが、1階が多くのケースではつぶれたり大破したりして、死者や負傷者が でています。特に耐震性が未確認のものや在来工法の住宅(特に古いもの)、耐震補強工事が していない建築物では、1階の危険性は言うまでもありません。このような状態の建物では、 1階は明らかに危険です。大地震の死者では、1階での圧死が多くなっています。 5 大地震では、家具やテレビが宙を飛ぶといわれていますが、どうすればいいのか その通りです、大地震では、重い家具やテレビ、冷蔵庫までもが飛んでいくのです。 これにより、人的損傷がもたらされます。 地震国日本では、家具は、作りつけのものにするか、または、壁に取付金具で取り付ける こととするように、建築基準法で、付帯構造物に関する条件として定めるのが適切です。 これから住宅を作られる場合は、作りつけの家具とされるのが適当です。 もし、作りつけ以外の家具などについては、金具で壁に取り付けることが必要です。 天井と家具の間にツッパリ棒のように取り付ける地震用の器具がありますが、大地震では全く 役に立たないので、家具は壁面に取付金具で取り付けることが必須です。 住宅の壁面の構造として、家具取り付け用の取り付け位置がそれを支える部材とともに 用意されていることが適当といえます。 また、作りつけ家具のドアは、内容物の重さで簡単に開かないような構造となっていることが 必要です。家具の倒壊は、人的損傷をもたらすとともに逃げ道も塞ぎます。 6 大地震で倒壊している建物はどのようなものか 最近の大地震で震度6クラスかそれ以上で共通して倒壊している日本の建物は次のようなものです。 在来工法の日本の建物 屋根は瓦葺、特に瓦止めに土を用いている 壁は土壁または壁に耐震性のない木造の構造のもの 耐震設計をしていないコンクリート建築物、特にコンクリートや鉄筋で手抜き工事の 行われたもの
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