

著作権法改正の概要とその解説
著作権法を改正する法律が成立したので著作権法が改正されて平成22年1月1日から施行されます。
この改正の主要点は次の事項です。
1)インターネット等を活用した著作物利用の円滑化を図るための対策
■ インターネット情報の検索サービスを実施するための複製等に係る権利制限を規定
インターネット情報の検索サービスを業として行う者(政令で定める基準を満たす者に限る)が,
当該サービスを提供するために必要と認められる限度で行う複製等について,違法に送信可能化
されていた著作物であることを知ったときはそれを用いないこと等の条件の下で,権利制限が
認められた。(第47条の6関係)
これは・・・
インターネット情報の検索サービスを業として行う者、すなわち、検索エンジン業者が行う
コンテンツの複製などについて、必要と認められる限度で権利者の許諾を必要としない
で行える事としたものである
■ 権利者不明の場合の利用の円滑化
@ 著作隣接権者不明等の場合の裁定制度の新設
著作権者について設けられている第67条の裁定制度と同様の制度を,著作隣接権者の
不明等の場合についても創設することとされた。(第103条関係)
A 裁定申請中の利用を認める新制度の新設
権利者捜索の相当の努力をした上で,権利者不明等の場合における裁定の申請を行い,
かつ,あらかじめ文化庁長官の定める額の担保金を供託した場合には,裁定又は裁定
をしない処分を受けるまでの間(それまでに権利者と連絡することができた場合は,
それまでの間),著作物等を利用することができることとされた。
(第67条の2及び第103条関係)
■ 国会図書館における所蔵資料の電子化(複製)に係る著作権者の権利制限を規定
国立国会図書館において,所蔵資料の原本の滅失等を避けるため納本後直ちに
電子化(複製)することについて,著作権者の権利制限が認められた。(第31条第2項関係)
これは・・・
国会図書館で所蔵する資料の電子化が著作権の権利所有者の許諾なしで行えるとするもの
である
■ インターネット販売等での美術品等の画像掲載の著作権者の権利制限を規定
美術又は写真の著作物の譲渡等の申出のために行う商品紹介用画像の掲載等
(複製及び自動公衆送信)について,著作権者の利益を不当に害しないために政令で
定める措置を講じることを条件に,著作者の権利制限が認められた。(第47条の2関係)
これは・・・
ネット販売に伴う美術品・写真の画像掲載がその美術品・写真の著作権者の承諾なしで
行えるとするものである―ただし政令で著作権者の権利を不当に侵害しないような
措置を求められるものとなっている
■ 情報解析研究のための複製等に係る著作権者の権利制限が規定
コンピュータ等を用いた情報解析のために行われる複製等について著作権者の権利制限が認められた。
(第47条の7関係)
これは・・・
コンピュータ等を用いた情報解析のために行われる複製等について、著作権者の
承諾を得ないで行えることとするものである
■ 送信の効率化等のための複製に係る著作権者の権利制限を規定
インターネットサービスプロバイダ等のサーバー管理を業とする者により,
@アクセス集中による送信の遅滞等の防止(ミラーリング)
Aサーバーへの障害発生時における復旧(バックアップ)
B著作物の送信の中継の効率化(キャッシング) 等の目的で行われる複製行為について,
権利制限が認められた。(第47条の5関係)
これは・・・
インターネットサービスプロバイダ等のサーバー管理を業として行う者が
上記の3行為については、送信の効率化などのために、著作権者の承諾を得ないで
複製行為が行えることとなった
■ 電子計算機利用時に必要な複製に係る著作権者の権利制限が規定
コンピュータ等において著作物を利用する場合における当該コンピュータ等
による情報処理の過程で行われる複製について,著作権者の権利制限が認められた。
(第47条の8関係)
これは・・・
コンピュータ等において著作物を利用する場合における当該コンピュータ等
による情報処理の過程で行われる複製は著作権者の承諾を得ることなく複製が
行えることとなった
2)違法な著作物の流通を抑止のための対策
■ 著作権等侵害品の頒布の申出の侵害化が規定
著作権等を侵害する行為によって作成された物(海賊版)を,その事実を知りながら,
「頒布する旨の申出」をする行為について,著作権等を侵害する行為とみなすこととされた。
(第113条第1項第2号関係)
これは・・・
海賊版のものを海賊版と知りながら頒布する申出をすることが違法と規定された
これは具体的には、海賊版DVDなどを海賊版という違法複製物であると知りながらネットオークション
などに出品する行為が禁止されるものであり、これに違反した場合の罰則(5年以下の懲役もしくは
500万円以下の罰金または併科)も設けられたものである。
■ 私的使用目的の複製に係る著作権者の権利制限規定の範囲が変更
著作権等を侵害する自動公衆送信を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を,
その事実(著作権等を侵害する自動公衆送信であること)を知りながら行う場合は,
私的使用目的の複製に係る著作権者の権利制限の対象外とされた。
ただし,罰則は適用しないこととされている。(第30条第1項第3号関係)
これは・・・
違法配信されている音楽・映像を違法と知りながらダウンロードする行為を禁止し「ダウンロードを
違法化」するものである
ただし、違反者に対する罰則は設けられていない
すなわち、従前は、合法・違法のものにかかわらず、私的な使用であれば、ダウンロードは
合法とされていたが、これについて違法なものを違法と認識してダウンロードすることは
違法行為であるとされた
3)障害者の情報利用の機会の確保のための対策
■ 障害者のための著作物利用に係る著作権者の権利制限の範囲の拡大
障害者のための著作物利用について,権利制限の範囲が,次のとおり拡大されることとなった。
(第37条第3項,第37条の2関係)
@ 障害の種類を限定せず,視覚や聴覚による表現の認識に障害のある者を対象とすること
A デジタル録音図書の作成,映画や放送番組の字幕の付与,手話翻訳など,障害者が
必要とする幅広い方式での複製等を可能とすること
B 障害者福祉に関する事業を行う者(政令で規定する予定)であれば,
それらの作成を可能とすること
ただし,著作権者又はその許諾を受けた者が,その障害者が必要とする方式の著作物を
広く提供している場合には,権利制限の対象外となる。
これは・・・
障害者用の利用のために著作権者の権利を制限して、障害者用が利用しやすく
するための規定である
具体的には障害者向けの録音図書や映像に字幕・手話を付加などについても、
著作権の権利者の許諾なしに行えるとしてものである
ただし、すでに著作権者などがそのような対応をしている場合は著作権者などのその権利は
守られるとするもの
4)その他
■ 登録原簿の電子化
著作権登録原簿等が,磁気ディスクをもって調製できることとされた。
(第78条第2項関係)
5)施行期日
原則として,平成22年1月1日に施行される。ただし,上記4)(登録原簿の電子化)
の改正についての施行日は,公布の日から起算して2年以内で政令で定める日とされている。
一般インターネットユーザーの関心である「ダウンロードの違法化」の規定について
違法配信されている音楽・映像を違法と知りながらダウンロードする行為を禁止し「ダウンロードを
違法化」するものである
ただし、違反者に対する罰則は設けられていない
すなわち、従前は、合法・違法のものにかかわらず、私的な使用であれば、ダウンロードは
合法とされていたが、これについて違法なものを違法と認識してダウンロードすることは
違法行為であるとされた
この規定は実際のネット利用でどのようになるか・・・・
対象ファィルは・・・音楽と動画
したがって、漫画やゲームは対象外―私的な使用であれば合法
違法行為は・・・
違法なものを違法と知りながら行うダウンロードの行為
―ブラウザなどで聞く事や見る事は合法、キャッシュは合法―キャッシュホルダー中のものを移動
させると違法の可能性あり
サイトによる区分・・・
公式な公開サイトのものは、ダウンロード等はもちろんすべて合法
公式でないサイト―すなわち、無断掲載サイト―ブラウザ等で聞く・見るのは合法、ダウンロードは違法
私的使用であっても違法にアップロードされた著作権のあるものを違法なものであると知りながら
ダウンロードすると、そのダウンロードする行為自体が違法とされる
(私的使用ではなく、業、すなわち、商用等の使用であれば、もろに著作権法違反行為である)
ただし、一般的には、違法にアップロードされたものであり、ダウンロードが違法であると認識して
行ったということは、それを違法行為であると指摘する者が立証する必要(立証責任)があるので、具体的なケースで
どのようになるかは予想するのはむずかしいものと考えられる―違法とされるものや提供サイトの
状況、ダウンロードの状況などによるため―これの立証は必ずしも容易ではないとも言われている
また、著作権法で違法とされてもこの法律での罰則規定は無いので、著作権法で罰せられることはない
ただし、民法により、不法行為として損害賠償請求の対象にはなりうるので、損害賠償を求められる
ことはありうるので注意が必要である
関連資料
著作権法
著作権法施行令
著作権法の一部を改正する法律案関連資料
概要 (PDF:378KB)
要綱 (PDF:85KB)
法律案 (PDF:141KB)
理由 (PDF:43KB)
新旧対照表 (PDF:237KB)
参照条文 (PDF:159KB)
参考資料
アメリカ著作権法
注意 本ページの内容については、あくまで参考にしてください。
インターネット上の行為は自己責任で行ってください。
内容に関する事項については、専門家・団体に照会されることをお奨めします。


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